作曲家、音楽プロデューサー。「カリテプリ音楽工房」代表。 1958年大阪生まれ。2004年『悲しい涙は流さない』(あべさとえ)、2006年『Deep Blue』(国土交通省「熊野川オリジナルソング大賞」)、2007年『幻のキャバレー』(メイ)、『誓い』(庄野真代)、2012年『ヒマワリ』(丸石輝正)、2013年『NHK BOSAI体操』、2016年『おともだち2000年』(京都府)など。
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例えば神保町の「アリゴ」のような、
古民家を改装した居酒屋やバルが好きで、
「古いものはいいなぁ」などとつぶやきながら、
ワイングラスを傾ける程度の風流心はあるつもりだが、
よほどのことがないかぎり、
和服を着たい、と思うことはなかった。
俺たちの世代は『ポパイ』を愛読し、
カリフォルニアの青い空に憧れて育ったものだから、
日本の伝統文化をよく知らないし、
まれに旅館で浴衣を着るようなことがあっても、
どこか「天才バカボン」みたいになりがちだった。
ところが最近街を歩いてもいても、
電車に乗っていても、
実に巧みに和服を着こなす若い人を目にするようになった。
とってつけたような感じではないのだ。
デザインも画一的なものでなく、
同時代の空気を反映しているような気がする。
和装がブームになっているのだろうか?
調べてみると、
浴衣の売り上げは年々伸びているらしく、
松屋銀座あたりが新作を投入し、
地域と連携してイベントを開催するなど、
すそ野は大きく広がっているようだ。
今の若い人は均整がとれているから、
いい方向にギャップが働いて、
かえって「モダン」が強調されるのだろうか。
「本当はこんな風に着てほしかったんですよ」
と浴衣がうれしげだ。
着物を着せると七五三みたいになりがちな、
親の世代とはえらい違いだ。
日本人はたしかにかっこよくなってきた。
それにしても和装のなかにファッション性を見出した、
若い人のセンスはどこから生まれたものだろう?
先入観がなければこそ、
色やかたちの面白さを素直に受け入れることができるのだろうか。
だとすれば和装を楽しむ若い人たちは、
心のどこかに異邦人を住まわせているのかもしれない。
親の世代が背伸びをして、
外国人になりたかったのとは反対に、
若い人は普遍性のレンズを通して、
自国のファッションを再評価することができる。
アレックス・カーが来日し、
京都の町屋を再生したとき、
俺たちの世代はその真意がよく読み取れず、
けっこうどぎまぎしたものだ。
時代が流れてようやく理解できたのは、
アレックス・カーが再生したものは、
伝統的な日本そのものではなくて、
普遍性の鏡に映した日本の可能性だった。
和装を楽しむことのできる若者は、
その美意識を苦もなく理解し、
もっと先へと歩みはじめているようにも見える。
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